先に結論
海外での通信は、出発前に「どの回線でデータ通信をするか」を1つ決め、それ以外の回線のデータローミングをオフにしておく——これだけで、思わぬ高額請求の不安はかなり減らせます。渡航先専用のデータeSIMを1つ足しておくと、この切り分けがはっきりします。
海外に行く前に「ローミングをオフにし忘れて、帰国後に高い請求がきたらどうしよう」と不安になる方は多いです。この記事では、海外ローミングとは何か、iPhone・Androidでオン/オフを切り替える場所、出発前・現地到着後・帰国後に確認したいこと、よくある「うっかり」の防ぎ方、そして渡航先に合わせた専用eSIMとの使い分けまでを、はじめての方にも分かりやすく整理します。結論として、海外での通信は「どの回線でデータ通信をするか」を出発前に一つ決め、それ以外の回線のデータローミングはオフにしておく——この考え方を持っておくだけで、思わぬ請求の不安はかなり減らせます。(2026年9月時点の一般的な操作の流れをまとめています。設定項目の名前や仕様は、端末・OS・通信事業者によって異なる場合があります。)
- 海外で料金が上がりやすい仕組み
- iPhone・Androidの設定場所
- 出発前〜帰国後に見るポイント
- ローミングと専用eSIMの使い分け
- つながらない時の確認の順番
海外で通信料が高くなりやすいのはなぜ?
結論から言うと、高くなる原因の多くは「自分が使った通信」ではなく「気づかないうちに動いていた通信」です。普段の契約のまま海外でデータ通信を行うと、契約している通信事業者が現地の回線を借りる「国際ローミング」という仕組みで通信します。この通信は国内の料金プランとは別建てで課金される場合があり、知らないまま使い続けると請求が膨らむことがあります。契約中のプランに海外での利用分が含まれていることもありますが、対象国・容量・日数などの条件は事業者ごとに違うため、出発前に一度確認しておくと安心です。
特に見落としやすいのが、画面を触っていなくても裏側で動く通信です。たとえば次のようなものがあります。
- アプリの自動アップデート(アプリの数が多いほど通信量も増えます)
- 写真・動画のクラウド自動バックアップ
- 地図アプリの地図データ再読み込み
- SNSやニュースアプリの自動再生・自動更新
- メールの自動受信、OSのアップデート確認
「ほとんど使っていないのに請求が高い」と感じる場面の多くは、こうした自動通信が積み重なった結果です。逆に言えば、ローミングを「いつ・どの回線でオンにするか」を自分で決めておけば、そのほとんどはコントロールできます。海外でのスマホ代の考え方をもう少し広く知りたい方は、スマホ代の見直しに関する記事もあわせて参考になります。
ローミングのオン/オフはどこで設定する?
先に結論をお伝えすると、設定場所は「モバイル通信(モバイルネットワーク)の中のデータローミング」です。端末やOSのバージョンで少しずつ異なりますが、おおまかな流れは次のとおりです。出発前に一度開いて場所を確認しておくと、現地で慌てずに済みます。
iPhoneの場合
「設定」→「モバイル通信(またはモバイルデータ通信)」→「通信のオプション」→「データローミング」でオン/オフを切り替えます。複数の回線(eSIMを含む)を使っている場合は、回線ごとにこの設定があります。画面上部で回線を選んでから操作するため、今どの回線の設定を触っているのかを確認してから切り替えましょう。
Androidの場合
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM(またはモバイルネットワーク)」→「データローミング」あたりで切り替えます。メーカーや機種によって項目名や階層が違うため、見つからないときは設定内の検索窓に「ローミング」と入力すると早く見つかります。
eSIMと通常のSIMを併用しているとき
eSIMを追加すると、端末の中に回線が2つ以上ある状態になります。このとき大切なのは「モバイルデータ通信に使う回線」をどれにするかの指定です。ここが元の回線のままだと、専用eSIMを入れたのに元の回線で通信してしまう、ということが起こります。回線の切り替えは、iPhoneなら「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」、Androidなら「SIM」→「モバイルデータ」から選べます。手持ちの端末がeSIMに対応しているかどうかは、対応端末の確認ページで先に見ておくと安心です。
回線に名前を付けておくと迷いにくい
回線が2つ以上あると、設定画面で「主回線」「副回線」のような表示が並び、どちらがどれか分かりにくくなります。iPhoneでは回線ごとにラベル(名前)を変更でき、Androidでも多くの機種でSIMの名前を編集できます。「日本の回線」「旅行用eSIM」のように用途が分かる名前にしておくと、現地でデータ回線やローミングを切り替えるときに間違いにくくなります。小さな工夫ですが、慣れない海外で焦らないための効果は大きいです。
「データローミングをオフ」にすると、その回線での海外データ通信は止まりますが、Wi-Fiでの通信は通常どおり使えます。ホテルやカフェのWi-Fiだけで足りるのか、移動中や地図を見るときにも通信したいのかで、必要な手段が変わってきます。
「ローミングオフ」「モバイルデータオフ」「機内モード」は何が違う?
この3つは似ているようで効き方が違い、間違えると「通信を止めたつもりが止まっていない」「必要な通信まで止まって困った」ということが起こります。ざっくり整理すると次のようになります。
| 設定 | 止まるもの | 使えるもの | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| データローミングをオフ | その回線の海外でのデータ通信 | Wi-Fi、他の回線の通信 | 元の回線を残しつつ課金を避けたいとき |
| モバイルデータ通信をオフ | その回線のデータ通信全般 | Wi-Fi | 国内・海外を問わずデータを使いたくないとき |
| 機内モードをオン | モバイル通信全般(Wi-Fi・Bluetoothも一度オフ) | 機内モードのままWi-Fiだけ個別にオンにできる | 離着陸時、確実に通信を止めたいとき |
実は、機内モードをオンにしたあとWi-Fiだけを手動でオンに戻す方法は、「どうしても余計な通信をさせたくない」ときの分かりやすい対処です。ただし機内モードのままでは専用eSIMも使えないため、現地でデータ通信をしたい場合は機内モードを解除し、使う回線だけをオンにする形になります。なお、通話やSMSの扱い、ローミング時の課金条件は契約している事業者ごとに違います。細かい条件は、契約先の最新の案内で確認してください。
高額請求を防ぐ出発前〜帰国後のチェック
「気づいたら高くなっていた」を避けるコツは、やることをタイミングごとに分けておくことです。出発直前にまとめてやろうとすると抜けが出やすいので、次のように分けると落ち着いて準備できます。
| タイミング | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 渡航の数日前 | 海外での通信手段を決める(契約中のローミング/専用eSIM/Wi-Fi)。端末のeSIM対応も確認 | 現地で迷わないよう役割を決めておく |
| 出発の前日まで | 専用eSIMを使うなら、日本にいるうちに設定を済ませておく | 電波の安定した環境で準備を終える |
| 出発当日(空港) | アプリの自動更新・写真の自動バックアップを一時的にオフ | 意図しない大きな通信を防ぐ |
| 離陸前 | データ通信に使わない回線のデータローミングをオフ | 元の回線での不意の課金を避ける |
| 現地到着後 | 使う回線をオンにし、画面上部の回線表示とデータ通信の可否を確認 | 意図した回線で通信できているか確かめる |
| 帰国後 | データ通信に使う回線を元に戻し、使い終わったeSIMの回線をオフ。自動更新・バックアップも元に戻す | 帰国後の通信を普段どおりに戻す |
特に効きやすいのは、3つめの「自動更新・自動バックアップを一時的にオフ」です。写真や動画のバックアップは1回で数百MB〜数GB動くこともあり、旅行中の通信量としては大きな割合になります。滞在中に必要な容量の目安が分からない場合は、比較ページで渡航先・データ容量・利用日数の組み合わせを眺めてみると、自分の使い方に近い形が見つけやすくなります(料金・容量・条件は変わることがあるため、購入前に最新の表示をご確認ください)。帰国後は、翌月の請求明細に心当たりのないローミング利用がないかを一度見ておくと、次の渡航に向けた設定の見直しにもつながります。
よくある「うっかり」パターンと防ぎ方
結論として、海外での通信トラブルの多くは、設定の場所を知らないことより「どの回線が動いているかを確認していない」ことから起こります。実際に起こりやすいパターンを、防ぎ方とあわせて整理します。
専用eSIMを入れたのに、元の回線で通信していた
eSIMの追加まではできていても、「モバイルデータ通信に使う回線」が元の回線のままになっているケースです。現地に着いたら、画面上部の回線表示と、設定画面でデータ通信に選ばれている回線を確認してください。回線に名前を付けておくと、この確認が一目で済みます。
両方の回線でデータローミングがオンになっていた
回線ごとにローミング設定があることに気づかず、元の回線もオンのままになっているパターンです。この状態でも通常はデータ通信に選んだ回線が使われますが、安心のために、使わない回線のデータローミングはオフにしておくのが分かりやすい形です。
専用eSIMのローミングをオフにして、つながらなくなった
逆のパターンもあります。「海外ではローミングをオフ」と覚えていたために、専用eSIMの回線までオフにしてしまい、現地でつながらなくなるケースです。渡航先用のeSIMは現地回線に接続する仕組み上、データローミングをオンにしておく必要がある場合があります。オフにするのは「使わない回線」だけ、と覚えておくと迷いません。
機内モードを解除したら、両方の回線が一気に動き出した
着陸後に機内モードを解除すると、端末内のすべての回線が同時に電波を探し始めます。このとき元の回線のローミングがオンのままだと、意図せず元の回線で通信が始まることがあります。離陸前に使わない回線のローミングをオフにしておくのは、この場面への備えでもあります。滞在スタイル別の準備の考え方は、利用シーン別の記事でも紹介しています。
ローミングと専用eSIM、どう使い分ける?
結論としては、「短時間・少量ならローミング」「ある程度使うなら専用eSIM」が目安になります。海外でのデータ通信には、大きく分けて「契約中のスマホのローミングを使う方法」と「渡航先に合わせた専用eSIMを追加する方法」があり、それぞれ得意な場面が違います。
| 比べる点 | 契約中の回線のローミング | 渡航先の専用eSIM |
|---|---|---|
| 準備の手間 | 設定を確認するだけで使えることが多い | 出発前に購入・インストールが必要 |
| 料金の見通し | 使い方によって変わることがある | 容量・日数を先に決めるため見通しやすい |
| 電話番号・SMS | 契約中の番号をそのまま使える場合がある | データ通信専用のプランが中心(LINE等のアプリ通話は使える) |
| 向いている滞在 | ごく短い滞在、乗り継ぎ、少量の利用 | 数日以上の旅行・出張、留学や一時帰国 |
| 注意したい点 | 対象国や条件を事前に確認する必要がある | 対応端末・設定のタイミングを確認する必要がある |
なお、この2つは「どちらか一方」ではありません。元の回線は番号とSMSのために残し、データ通信は専用eSIMで行うという組み合わせが、実際には最も扱いやすい形です。料金面での損得をもう少し具体的に比べたい方は、ahamo・povo・楽天の海外ローミングと専用eSIMはどっちが得?で考え方を整理しています。他の手段との違いをまとめて見たい場合は、比較テーマの記事もあわせてどうぞ。
ローミングで十分な人/専用eSIMが向いている人
どちらが良いかは人によって変わります。無理に切り替える必要はないので、自分がどちらに近いかで判断してみてください。
契約中のローミングのままでも困りにくい人
- 滞在が1〜2日程度と短く、通信もメッセージ確認くらいの人
- 乗り継ぎで空港にいる時間だけ通信できれば十分な人
- ホテルや滞在先のWi-Fiがあり、外では通信をほとんど使わない人
- 契約中のプランに海外で使える仕組みが含まれていて、条件を把握している人
専用eSIMを追加した方が安心しやすい人
- 数日以上の旅行・出張で、地図やタクシー配車アプリを日常的に使う人
- 留学や一時帰国など、滞在が長く通信量が読みにくい人
- 使う分を先に決めて、料金の見通しを立てておきたい人
- 家族や同行者と情報を共有しながら移動する人
動画やビデオ通話を長めに使う予定がある方は、容量を気にせず使える形も選択肢になります。その場合の考え方や注意点は無制限タイプのページで確認できます。ただし無制限と表示されるプランでも、一定の利用後に速度が制限される場合や、公平利用ポリシー、テザリングの可否などの条件が設定されることがあります。「どれだけ使っても常に高速」という前提では考えず、購入前に条件を見ておくと安心です。
専用eSIMを使うときに知っておきたいこと
専用eSIMを追加すると、現地ではそのeSIMでデータ通信を行い、契約中の回線のデータローミングはオフにしておく、という使い分けがしやすくなります。設定は難しくありません。届いた設定リンクを1タップして画面の案内に沿って追加し、現地に着いてから回線をオンにする流れが基本です(うまくいかない場合の代替として、手動設定の案内も用意しています)。
設定のタイミングでよく聞かれるのが「日本で入れてしまって大丈夫か」という点です。多くの場合、電波とWi-Fiが安定している日本のうちにインストールまで済ませ、現地に着いてから回線をオンにする流れが安心です。ただし有効化のタイミングはプランによって異なるため、購入時の案内を確認してください。購入したeSIMの内容はマイページから確認できます。
Bloomyを含む多くの旅行向けeSIMはデータ通信専用です。使えないのは電話番号での発着信(音声通話)とSMSだけで、LINE・WhatsApp・Messenger・FaceTimeなど、データ通信を使うアプリ通話は通常どおり利用できます。「通話がいっさいできない」わけではありません。
一方で、銀行アプリのSMS認証や、日本の番号への着信が必要な方は準備が要ります。元の回線を残しておく方法や、番号が必要な場面の考え方は電話番号・SMSに関する記事で整理しています。渡航前に「SMSが届かないと困る手続きがあるか」を一度書き出しておくと、現地で焦らずに済みます。なお、元の回線でSMSを受け取れるかどうかや、その際の料金は契約先の条件によるため、出発前に確認しておくと安心です。
現地でデータ通信がつながらないときの確認順
つながらないときは、原因を一つずつ切り分けると早く解決します。上から順に確認してみてください。
- 機内モードがオフになっているか:着陸後、機内モードのままになっているケースは意外と多いです。
- データ通信に使う回線が正しく選ばれているか:eSIMではなく元の回線が選ばれていないか確認します。
- 使う回線のデータローミングがオンになっているか:渡航先用のeSIMは、現地回線に接続するためオンにしておく必要がある場合があります。
- 回線が有効になっているか:eSIMの回線自体がオフになっていないか見直します。
- 機内モードのオン/オフ、または端末の再起動:現地回線をつかみ直すきっかけになります。
- ネットワークを手動で選択:自動で見つからないときは、手動選択を試します。
それでも改善しないときの詳しい手順はつながらないときの対処にまとめています。設定や購入前の細かな疑問はよくある質問で確認でき、解決しない場合はお問い合わせから日本語でご相談いただけます。通信の速度や安定性は、現地の回線状況・エリア・時間帯の混雑によって変わります。都市部と郊外でも体感が違うため、うまくつながらない場所では少し移動してから試すのも有効です。
まとめ:設定を一度確認しておけば、不安はかなり減らせる
海外での高い請求の多くは、「ローミングのオン/オフ」と「どの回線でデータ通信をするか」を出発前に決めておくことで防げます。出発前に設定の場所を確認し、使わない回線のデータローミングはオフ、データ通信は専用eSIMかWi-Fiで——このように役割を分けておけば、現地で迷う場面はぐっと減ります。帰国後に元へ戻すところまで含めて一連の流れにしておくと、次の渡航からはさらに楽になります。
渡航先に合うプランを探したい方は、Bloomyの比較ページから国名・データ容量・利用日数で確認してみてください。はじめてのeSIMで不安がある方は、eSIMガイドの記事から、設定の流れや選び方を順に読み進めていただけます。
本記事は2026年9月時点の一般的な操作の流れと考え方をまとめたものです。設定項目名・料金・対応条件は端末・OS・通信事業者によって異なり、変更される場合があります。ご利用前に各サービスの最新の表示・案内をご確認ください。

